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干川理事が日本サンゴ礁学会「サンゴ礁保全活動奨励賞」を受賞

日本サンゴ礁学会第20回大会で、NPO法人石西礁湖サンゴ礁基金の干川明理事が 「サンゴ礁保全活動奨励賞」を受賞しました。石垣島で取り組んできたサトウキ ビの株出し栽培などの赤土流出防止の取り組みと成果が、「石西礁湖サンゴ礁基金等の支援に基づく石垣島での赤土流出対策の取り組み」として高く評価されたものです。
干川理事は、サトウキビ畑での赤土流出防止について、大学の研究者とともにサトウキビ畑での流出比較の実験を重ねた上で、赤土流出が多い夏植え栽培に代えて、流出が飛躍的に少ない株出し栽培の有効性を確認し(夏植え1年目に対して 1/10以下の流出)、その普及に取り組んできました。
株出し栽培は、サトウキビ収穫後に耕起せずに株揃えを行うとともに害虫対策を施すことで、株から発芽した新芽を育成するものです。夏植え栽培では収穫後に耕起して新たに苗を植え付けるため、雨が降ると、成育するまでの裸地状態の畑面から赤土が流出するのですが、株出し栽培では裸地にならないため赤土流出が少ないのです。また、夏植えでは収穫までに1.5年かかるのに対して、株出し栽 培は毎年収穫ができるので収量増にもつながります。
石西礁湖サンゴ礁基金では、この株出し栽培の普及を図るため、全国からの寄付を資金に、石垣島の22圃場(18農家、1,385ha)に対して株揃えのための株管理 機の費用補助を行ってきました。その後、石垣市やJA八重山による害虫対策のためのベイト剤の補助、石垣製糖社による株管理機の導入と貸し出しなどにつながりました。石西礁湖サンゴ礁基金でもさらに株出し栽培農家に堆肥の支給を支援してきました。その結果、夏植え栽培から株出し栽培への転換が飛躍的に進み、現在では600haを超えています(図参照)。
日本サンゴ礁学会第25回大会3日目の11/25(土)午前のテーマセッション「サンゴ礁生態系レジリエンス回復の切り札とは? −赤土対策の歴史・現状を知り、 大規模白化時代の陸域対策の意義とあり方を考える」には、ゲストスピーカーとして干川理事も招かれ、今までの株出し栽培普及の取り組みについて、「サトウキビ株出栽培による赤土流出防止活動」として発表しました。

 
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